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クルトガのモデルの違い:KS・アドバンス・スタンダードはどこが変わる
文具店の棚の前で、クルトガのパッケージを4種類くらい手に取っては戻す中学生を見たことがあります。ぼくも同じことをやっていました。ただしそれは二十年近く前で、当時のクルトガはまだ一種類しかなかった。今は違います。スタンダー […]
文具店の棚の前で、クルトガのパッケージを4種類くらい手に取っては戻す中学生を見たことがあります。ぼくも同じことをやっていました。ただしそれは二十年近く前で、当時のクルトガはまだ一種類しかなかった。今は違います。スタンダード、ラバーグリップ付き、KSモデル(ハイグレードモデル)、アドバンス、アドバンス アップグレードモデル、そしてクルトガダイブ。クルトガの種類と違いを知らずに棚の前に立つと、名前が似ていて、値段は450円から5,500円まで開いているこの状況に固まることになります。同じ「クルトガ」という一語でくくられているのに、中身は別物です。
この記事は、その違いを三菱鉛筆の公式サイトが発表している数字だけで並べ直したものです。ぼくの手元にある個体の実測値も、書き味の感想も、今回は入れません。理由は本文で説明します。
※本記事にはアフィリエイト広告(プロモーション)が含まれます。
クルトガの種類が多い背景
クルトガというのは商品名であると同時に、機構の名前でもあります。三菱鉛筆が公式に「クルトガエンジン」と呼んでいる、書くたびに芯が少しずつ回る内部パーツ。これが入っていればクルトガを名乗れる。だから軸のデザインも価格帯も自由に増やせて、結果として棚の上で似た顔が並ぶことになりました。
三菱鉛筆は2008年3月にクルトガを発売し、公式サイトではシリーズ累計出荷本数が1億本を超えたと発表しています。10年以上かけて売れ続けた商品ラインは、たいてい枝分かれします。クルトガもその道をたどりました。
スタンダードからハイグレード(KSモデル)、アドバンスへの流れ
大きな節目は三つです。
最初が2008年の初代クルトガ。芯が回るという一点だけで勝負したモデルで、公式の希望小売価格は450円(税抜)。今も現行品として売られています。
次が2017年発売のクルトガ アドバンス。三菱鉛筆の公式説明によると、従来モデルが1回転あたり40画(40回の筆記動作)で芯を一周させていたのに対し、アドバンスは20画で一周する。回転の頻度が倍になった、というのが公式の言い方です。加えてパイプスライド機構が入りました。
三つ目が2022年のクルトガダイブ。自動芯繰り出し機構を搭載した上位モデルで、公式の希望小売価格は5,500円(税込)。同じシリーズとは思えない価格帯です。
ここで名前の話をひとつ。よく検索される「KSモデル」は、別ラインの新製品ではありません。三菱鉛筆の品番 M5-KS がそのまま通称になったもので、公式の製品名はクルトガ ハイグレードモデル。1,000円(税抜)の金属グリップ機です。つまり「KSモデル」と「ハイグレードモデル」は同じ一本を指します。中身は初代と同じ40画で1回転、パイプスライド機構なし。名前の見た目は新しいのに、機構は旧世代のまま。ここが棚の前で一番混乱するポイントなので、この記事では以降「ハイグレードモデル(KSモデル)」と両方書きます。見分け方は後半でまとめます。
公式スペックだけで比較する理由(本記事の立場)
ここでこの記事の立場をはっきりさせておきます。
この記事には「書きやすい」「手に馴染む」といった評価が一切出てきません。書けるのは、三菱鉛筆の公式サイトの製品ページに載っている情報だけ。回転仕様、パイプスライド機構の有無、芯径、軸の材質、希望小売価格、発売年、シリーズ累計出荷本数。この範囲を出ません。
体感評価を書かない理由(実測データが揃うまでの暫定整理)
ぼくは普段、手元の文具を秤とノギスで測って書いています。0.1g単位の重さ、重心が後端から何ミリの位置にあるか、グリップ部の実測軸径。そこまで測ってから「この重心だとノートの上で先が落ち着く」と書く。それがこのサイトのやり方です。
今回のクルトガ比較記事は、そのデータがまだ全モデル分そろっていません。数本は手元にありますが、6種類を横並びで語れるだけの計測が終わっていない。ここで足りない分を「たぶんこう感じるはず」で埋めると、それはもう他所の記事を言い換えただけのものになります。
なので今回は、公式発表値の整理に徹します。ネットで拾った「アドバンスのほうが折れにくい気がする」という感想を、あたかも検証したかのように混ぜない。数字を出すたびに「三菱鉛筆公式サイト発表」と書き添えるのは、そのための自分への縛りでもあります。
計測がそろったら、この記事に実測パートを追記します。それまでは暫定の整理表として読んでください。
なお、芯の濃さや太さで書き味が変わる話は機構とは別の軸なので、シャー芯のおすすめと濃さの選び方とシャーペンの芯の太さ0.3と0.5はどっち?にまとめてあります。
モデル別・仕様一覧表(公式発表値のみ)
以下はすべて三菱鉛筆公式サイトの製品情報にもとづく数値です。価格は希望小売価格で、店頭実売とは異なります。
| モデル名 | 回転仕様(公式) | パイプスライド機構 | 芯径ラインナップ | 希望小売価格 |
|---|---|---|---|---|
| クルトガ スタンダードモデル | 40画で1回転 | なし | 0.3 / 0.5 | 450円(税抜) |
| クルトガ ラバーグリップ付モデル | 40画で1回転 | なし | 0.3 / 0.5 | 500円(税抜) |
| クルトガ ハイグレードモデル(通称KSモデル/品番 M5-KS) | 40画で1回転 | なし | 0.3 / 0.5 | 1,000円(税抜) |
| クルトガ アドバンス | 20画で1回転 | あり | 0.3 / 0.5 | 550円(税抜) |
| クルトガ アドバンス アップグレードモデル | 20画で1回転 | あり | 0.3 / 0.5 | 1,000円(税抜) |
| クルトガダイブ | 40画で1回転 | あり(自動芯繰り出し機構搭載) | 0.5 | 5,500円(税込) |
※価格表記が税抜と税込で混在しているのは、三菱鉛筆公式サイトの表記をそのまま引いているためです。ダイブのみ税込表記。
表を見て気づくことが三つあります。一番高いダイブの回転仕様がアドバンス系より少ないこと。価格差の大半が軸の作りから来ていること。そして、KSモデルという通称で呼ばれるハイグレードモデルが、550円のアドバンスより機構では一世代前だということ。順に見ます。
クルトガ アドバンスの違いは回転方式の数値差から来る
三菱鉛筆の公式説明では、従来のクルトガエンジンは40画で芯が一周、クルトガアドバンスに搭載された「クルトガエンジン(アドバンス)」は20画で一周します。
これが何を意味するか、算数の話として整理します。
芯が一周する間に書く画数が少ないほど、1画あたりの回転角が大きい。40画で360度なら1画あたり9度、20画で360度なら1画あたり18度。つまりアドバンスは、同じ一文字を書く間に芯がより多く回る計算になります。
芯は書くほど片減りして、断面が斜めに削れていきます。回転が細かく入るほど、その斜めの面が一箇所に集中しにくい。ここまでは機構の設計意図として説明できる範囲です。
ただし、「だから20画のほうが常に細い線が続く」とは書けません。実際の線の太さは筆圧、芯の硬度、紙質、書き手の角度で変わります。公式が発表しているのは回転の頻度であって、線幅の保証ではない。ここを混同した記事が多いので、あえて分けて書いておきます。
そしてダイブは40画で1回転。上位機なのに回転頻度は従来型と同じです。ダイブの売りは回転の細かさではなく、ノックせずに芯が出続ける自動芯繰り出し機構のほうにあります。「高い=全部の性能が上」ではないという、わかりやすい例です。
パイプスライド機構の有無を軸にした分類
もうひとつの分類軸がパイプスライド機構です。
シャーペンの先端にある金属のパイプ(芯を支える筒)が、芯の減りに合わせて奥へ引っ込んでいく仕組み。これが入っていると、芯を出しすぎた状態でも書き進めるうちにパイプが下がっていき、芯が紙に対して長く突き出したままになりにくい。
公式スペックで整理すると、こう分かれます。
パイプスライド機構ありが、クルトガ アドバンス、クルトガ アドバンス アップグレードモデル、クルトガダイブ。なしが、スタンダードモデル、ラバーグリップ付モデル、ハイグレードモデル(KSモデル)。
きれいに「アドバンス以降」で線が引けます。値段の安い高いより、この機構の有無のほうが世代を分けている。550円のアドバンスと1,000円のハイグレードモデル(KSモデル)なら、機構の新しさは前者です。
重量差を軸径・素材の違いから読み解く
重さについては注意が必要です。三菱鉛筆公式サイトの製品ページは、全モデルの本体重量を統一フォーマットで発表しているわけではありません。ここで各モデルの重さを「〇g」と並べた表を作ると、出典が公式でない数字を混ぜることになる。なので数値表は載せません。
代わりに、公式が発表している軸の材質から言えることだけ書きます。
スタンダードモデルとアドバンスは軸が樹脂製。ハイグレードモデル(KSモデル)とアドバンス アップグレードモデルは、公式説明で金属を使ったグリップ部が特徴とされています。ダイブは公式サイトで真鍮を使った軸として紹介されています。
金属は樹脂より密度が高い。同じ太さなら金属パーツが増えるほど本体は重くなります。つまり価格順に並べると、そのまま重量順にも近づいていく。ハイグレード系やダイブが「しっかりした重み」と紹介されるのは、この材質差から来ています。
軽さを優先したいなら樹脂軸の下位モデル、というのは材質からそのまま導ける結論です。ただし何グラムの差なのかは、ぼくが実測して追記するまで保留にします。
グリップの素材と持ちやすさの関係は手汗で滑りにくいシャーペンの選び方で別立てにまとめてあります。手が汗ばみやすい人はそちらも。
見た目が似ていて混同しやすいモデルの見分け方
ここが実店舗で一番困るところです。ブリスターパックに入って吊るされていると、軸のシルエットはどれもよく似ている。
特に間違えやすい組み合わせが三つあります。
一つ目が、スタンダードモデルとラバーグリップ付モデル。違いはグリップ部のゴムの有無だけで、価格差は50円。パッケージの写真だと判別しづらい。
二つ目が、アドバンスとアドバンス アップグレードモデル。名前が長いうえに前半が共通しています。回転仕様もパイプスライド機構も同じで、違うのは軸の作りと価格(550円と1,000円)。
三つ目が、ハイグレードモデル(KSモデル)とアドバンス アップグレードモデル。どちらも1,000円(税抜)で、どちらも金属グリップ。ところが回転仕様が40画と20画で違い、パイプスライド機構は前者になく後者にある。値段が同じなのに世代が違う、一番やっかいな二択です。
パッケージ・刻印での判別ポイント(公式サイト記載情報)
確実なのは型番を見ることです。三菱鉛筆の製品はパッケージの裏面や台紙に品番が印字されています。
アドバンス系の品番は M5-559 / M3-559 系(アップグレードモデルは M5-1009 系)、スタンダード系は M5-450 / M3-450 系というように、数字の後半が希望小売価格と対応しています。M5の「5」は0.5mm、M3の「3」は0.3mm。この読み方を覚えておくと、パッケージの写真だけで芯径と価格帯が判定できます。
例外がハイグレードモデルです。ここだけ品番が M5-KS / M3-KS で、価格の数字が入りません。だから「KSモデル」という通称が定着しました。裏を返せば、品番に KS と入っていたらそれはハイグレードモデルで、40画1回転・パイプスライドなしの旧世代機だと即断できます。数字が入っていない品番は、そういう見分け方の合図として使えます。
軸に印刷されたロゴも手がかりになります。アドバンス系は軸に「KURU TOGA ADVANCE」と入る。スタンダード系とハイグレードモデル(KSモデル)は「KURU TOGA」のみ。店頭で迷ったら、ロゴの後ろに ADVANCE が付いているかを見るのが一番早い。
ネット通販で買う場合は、商品名の文字列に「アドバンス」「アップグレード」「KSモデル」のどれが含まれるかを確認してから買い物かごに入れてください。ぼくは以前、アドバンスのつもりでスタンダードを注文したことがあります。届いてから軸のロゴを見て気づきました。
クルトガ おすすめモデル(中学生・高校生・大人の予算別)
ここからは選び方です。ただし「書き心地がいいから」という理由は使えないので、公式スペックから言えることだけで組み立てます。中学生のおすすめモデルを探している人は、まず下の表の上から2行を見てください。
| 読者の状況 | 向いている仕様 | 該当モデル |
|---|---|---|
| 中学生・初めてのクルトガ・予算500円前後 | 回転機構だけ試したい/樹脂軸で軽い | 三菱鉛筆 クルトガ スタンダードモデル |
| 中高生・0.3mmで細かい字を書く | 20画1回転+パイプスライドで芯の先を安定させたい | 三菱鉛筆 クルトガ アドバンス 0.3mm |
| 高校生・毎日長時間使う・予算1,000円 | 最新機構+金属グリップ | 三菱鉛筆 クルトガ アドバンス アップグレードモデル |
| 手汗をかきやすい・グリップ重視 | ラバーグリップで指の当たりを確保 | 三菱鉛筆 クルトガ ラバーグリップ付モデル |
| 大人・ギフト・予算1,000〜1,500円 | 金属軸で見た目に高級感 | 三菱鉛筆 クルトガ ハイグレードモデル(KSモデル) |
| 記念日・進学祝いで特別な1本 | 自動芯繰り出し機構搭載の最上位 | 三菱鉛筆 クルトガダイブ |
根拠を補足します。0.3mm を選ぶ行に アドバンス を置いたのは、細い芯ほど片減りの影響が線幅に出やすく、20画で1回転という公式仕様が理屈のうえで効いてくる領域だからです。手汗の行にラバーグリップ付モデルを置いたのは、公式が差別化点として挙げているのがゴムグリップだからで、それ以上の効き目を約束するものではありません。ハイグレードモデル(KSモデル)を大人のギフト行に置いたのは、金属グリップの見た目を買う選択だからで、機構の新しさで選ぶ人には向きません。
予算3,000円前後まで視野に入るなら、クルトガ以外の選択肢も比べたほうがいいです。3000円で買える高級シャーペンに他社製品を並べてあります。
筆圧が弱い子はどこで回転機構の恩恵が薄れるか
クルトガエンジンは、芯を紙に押し当てて離す動作の力で内部のギアを送ります。つまり筆圧がかからないと回りません。
三菱鉛筆も、書くたびに芯が回る仕組みだと説明しています。裏を返せば、書いていない間は回らない。筆圧が極端に弱い人、紙に触れるか触れないかの力で書く人は、機構が動くきっかけを与えにくい。
もうひとつ、線をつなげて書くクセも影響します。ひらがなを一筆書きのようにつなげて書くと、ペン先が紙から離れる回数が減る。40画で1回転という数字は「40回上げ下ろしする」ことが前提の数字です。
筆圧が弱めの子に贈るなら、回転機構よりも芯の濃さを変えるほうが素直な解決になることがあります。HBを2Bに替えるだけで筆記が変わるケースは多い。詳しくはシャー芯のおすすめと濃さの選び方に書きました。
贈り物ならどのグレードが失敗しないか
贈る相手が中高生で、相手がまだクルトガを持っていない場合。1,000円のアドバンス アップグレードモデルが無難です。理由は三つあります。金属グリップで見た目に安っぽさがないこと、20画1回転という現行の上位仕様であること、そして1,000円という価格が「もらって気を遣わない」範囲に収まること。同じ1,000円のハイグレードモデル(KSモデル)と迷ったら、機構が一世代新しいアップグレードモデルのほうが説明しやすい。
相手がすでにクルトガのスタンダードを使っている場合は、同じシリーズの上位機より、別系統のシャーペンを贈るほうが喜ばれることがあります。機構が同じだと「持ってるやつと似てる」で終わってしまう。
5,500円のクルトガダイブは、進学祝いや卒業記念のような節目向けです。ふだんのプレゼントとしては価格が浮きます。もらう側の中学生が5,500円のシャーペンを机に出す気まずさも、少し考えたほうがいい。
初めての一本をどう選ぶかは初めての高級シャーペンの選び方にまとめてあります。予算と学年から逆算したい人はそちらへ。
クルトガの弱点、ブレと沈み込みの正体
いいところだけ書いても選ぶ役には立たないので、公式スペックと機構の仕組みから言える弱点を並べます。
回転機構が働くには筆圧が必要です。これは前の章で書いたとおり。力を入れずに書く人ほど、クルトガを選ぶ理由が薄くなります。
芯が回るぶん、ペン先の見た目が独特です。書いている最中に先端がわずかに動く。気になる人は気になります。
そして替芯の選択肢。クルトガは0.3mmと0.5mmが中心で、0.7mmや0.9mmといった太い芯のラインナップは限られます。太めの芯で書きたい人には選択肢が狭い。
クルトガのブレと沈み込みが気になる人はどこを見るか
クルトガの話でよく出てくる不満が二つあります。書いている最中の芯のブレと、ノックした芯が押されて奥に戻る沈み込みです。
どちらも機構の構造から説明がつきます。クルトガエンジンは芯を回すために、芯を保持する部分が軸に対して回れるようになっている。固定でつかんでいるわけではないので、横方向の力が入ると先端がわずかに揺れる。これが「ブレ」と呼ばれている現象です。そして芯を回す動作は、芯が縦に少し動くことで内部のギアを送る仕組み。書くたびに芯が奥へ入って戻る、その上下動が「沈み込み」として指に伝わります。つまり回転させるための余裕が、そのままブレと沈み込みの正体です。
ここで注意点があります。この二つがどの程度出るかは、公式が数値で発表しているものではありません。だからぼくも「アドバンスはブレが少ない」とは書けない。書けるのは、ブレも沈み込みも回転機構と引き換えの仕様であって、故障ではないということまでです。強い筆圧でガシガシ書く人、定規を当てて図を引く人は、この動きが気になる可能性を先に知っておいたほうがいい。ガタつきの少なさを最優先するなら、そもそも回転機構の入っていないシャーペンを見るほうが早いです。
芯を短く出して使う、パイプスライド機構ありのモデルを選んで芯の突き出し量を抑える、というのは構造から言える対処です。効き目の程度は、ぼくが実測とセットで検証してから書きます。
上位モデルほど重い/ダイブは価格と入手性
金属パーツが増えるほど本体は重くなります。ハイグレード系やダイブは、樹脂軸のスタンダードより確実に重い。長時間ノートを取る中高生にとって、重さは好みが割れる要素です。軽いほうが疲れないという人もいれば、重いほうが安定するという人もいる。ここは体格と持ち方の問題なので、可能なら店頭で持たせてから決めるのが一番です。
クルトガダイブは別の意味で難しい商品です。希望小売価格5,500円は、シャーペンとしてはかなり上の価格帯。発売直後は品薄が続き、抽選販売や入荷待ちが発生していました。現在は流通が落ち着いていますが、限定色は今も入手しづらいことがあります。
そして自動芯繰り出し機構は、可動部品が多いということでもあります。パーツが増えれば、そのぶん扱いに気をつかう箇所も増える。5,500円を出す前に、そこは織り込んでおいたほうがいい。
ダイブについては、ぼくの手元の個体で計測を進めています。重さと重心が出たら、単独の記事にまとめる予定です。
よくある質問(FAQ)
クルトガのKSモデルとアドバンス、どっちを買うべきですか。
まず前提として、KSモデルは正式にはクルトガ ハイグレードモデル(品番 M5-KS)で、1,000円(税抜)の金属グリップ機です。機構だけで選ぶならアドバンス。KSモデルは40画で1回転・パイプスライド機構なしで、これは450円のスタンダードと同じ仕様です。アドバンスは550円で20画1回転+パイプスライド機構。550円のほうが機構は一世代新しい。逆に、金属グリップの見た目や持ったときの重みを買うつもりならKSモデルです。同じ1,000円で新しい機構も金属グリップも欲しいなら、選ぶのはアドバンス アップグレードモデルになります。
クルトガの型番の見方を教えてください。
三菱鉛筆の品番は「M5-450」のような形式で、Mの後ろの数字が芯径(5=0.5mm、3=0.3mm)、ハイフンの後ろの数字が希望小売価格と対応します。M5-450なら0.5mmで450円、M5-1009なら0.5mmで1,000円台。ハイグレードモデルだけは M5-KS のように KS が入ります。パッケージ裏の品番を見れば、店頭で迷わず判別できます。
アドバンスとアドバンス アップグレードモデルはどちらを買うべきですか。
回転仕様(20画で1回転)とパイプスライド機構は共通です。違うのは軸の作りと価格(550円と1,000円)。機構だけが目的なら550円のアドバンスで足ります。
書いているときの芯のブレや沈み込みはなくせますか。
なくせません。芯を回すための遊びと、ギアを送るための芯の上下動が、そのままブレと沈み込みとして出ます。回転機構と引き換えの仕様で、故障ではありません。気になる度合いは筆圧と持ち方で変わるので、ガタつきの少なさを最優先するなら回転機構のないシャーペンを検討したほうが早いです。
クルトガダイブは中学生に早いですか。
機構としては誰が使っても同じです。判断材料になるのは希望小売価格5,500円という金額と、紛失したときの痛手の大きさ。学校で毎日使う一本というより、家で使う特別な一本という位置づけになりやすい価格帯です。
クルトガは0.7mmや0.9mmもありますか。
現行の主力ラインは0.3mmと0.5mmです。太い芯を使いたい場合は、クルトガ以外のシリーズも含めて探すことになります。
替芯はクルトガ専用のものが必要ですか。
芯径が合っていれば一般的なシャープ芯が使えます。三菱鉛筆はクルトガ用として設計した専用芯も出していて、こちらは軸の機構に合わせた仕様になっています。芯の濃さの選び方はシャー芯のおすすめと濃さの選び方にまとめました。
芯が回っているか確認する方法はありますか。
芯を少し長めに出して、先端をよく見ながら紙に点を打っていくと、芯の断面の向きが少しずつ変わるのが見えます。回転しない場合は、筆圧が足りていないか、機構に芯の粉が詰まっている可能性があります。
まとめ
クルトガの種類と違いを整理すると、価格ではなく二つの機構で線が引けます。回転仕様が40画で1回転か20画で1回転か。パイプスライド機構があるかないか。この二つで見れば、同じ1,000円のハイグレードモデル(KSモデル)とアドバンス アップグレードモデルが別世代だとわかります。KSモデルとアドバンスどっちを買うか迷っている人への答えも同じところから出ます。機構で選ぶならアドバンス、金属グリップの見た目で選ぶならKSモデルです。
そして高いモデルが全部で勝っているわけではありません。5,500円のクルトガダイブは回転仕様では従来型と同じ40画で1回転。ダイブが持っているのは自動芯繰り出し機構という別の価値です。
ブレと沈み込みについても、公式が数値を出していないので程度は書けません。書けたのは、それが回転機構と引き換えの仕様だというところまでです。
ここまで書いた数値はすべて三菱鉛筆公式サイトの発表値で、ぼくの感想は入れていません。棚に並んだ6本を秤とノギスで測り終えたら、重さ・重心・実測軸径を足して、使用感のパートを追記します。それまでは、店頭で迷ったときにパッケージの品番と軸のロゴを確認するための一覧として使ってください。
ひなた部屋の棚には、まだ計測待ちのクルトガが数本並んでいます。数字が出たら、この記事に戻ってきます。