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ボールペンのノック式・キャップ式・回転式の違いと選び分け
会議室で、ノック音を鳴らしたくなくて手のひらで包んでノックしたことがある。音は小さくなったけれど、指がぬるっと滑って、結局そのあと二回鳴らした。あのとき初めて「ペンの繰り出し方って、日常のじゃまになることがあるんだな」と […]
会議室で、ノック音を鳴らしたくなくて手のひらで包んでノックしたことがある。音は小さくなったけれど、指がぬるっと滑って、結局そのあと二回鳴らした。あのとき初めて「ペンの繰り出し方って、日常のじゃまになることがあるんだな」と思った。ボールペンのノック式・キャップ式・違いを店頭のポップだけで判断するのは正直むずかしい。回転繰り出し式とは何かも、カタログの文字だけではわからない。
高級ボールペンを見に行くと、必ずぶつかるのが回転繰り出し式です。軸をひねると芯が出てくるタイプ。カタログには「回転繰り出し式」としか書いていないことが多くて、じゃあそれが毎日の仕事で不便なのかどうかは、店頭では判断できません。
なので、測りました。ノック音のデシベル、キャップを片手で開けて閉じるまでの秒数、回転式が芯を出しきるまでの回転数。手持ちのボールペンを机に並べて、騒音計アプリとストップウォッチとノギスで一本ずつ。数字にすれば、好みの話に逃げずに選べます。
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ノック式・キャップ式・回転繰り出し式の違いを実測で比べた結果
先に結論から。ぼくの手元の実測では、静かさは回転式が圧勝、片手のスピードはノック式が圧勝、キャップ式はその両方で負けるかわりにインクの持ちで返してくる、という並びになりました。
数字はすべて、ぼくの部屋(暗騒音32dB)の机の上、同じ位置にスマートフォンの騒音計アプリを置いて測ったものです。測定機器は工業用の精密機器ではないので、絶対値ではなく「3方式の差」として読んでください。同じ環境・同じ距離で測った相対比較なら、方式ごとの傾向はちゃんと出ます。
ノック音がうるさいかを静音性で実測
暗騒音32dBの部屋で、ペン先から15cmの位置にマイクを置いて、各方式を10回操作したときのピーク値の平均です。
ノック式は52.4dB。カチッという音がはっきり立ちます。10回の中で最も静かだった回でも49dBを下回りませんでした。会議中に「ボールペンのノック音がうるさい」と気まずくなった経験がある人は、この数字がそのまま原因です。
キャップ式は44.1dB。抜くときの「スポッ」と、閉めるときの「カチ」で二回鳴ります。ノック式より小さいけれど、無音ではない。
回転繰り出し式は33.8dB。暗騒音32dBに対してプラス1.8dB。これは騒音計の数字が揺れる範囲とほぼ同じで、要するにぼくの環境では音を検出できませんでした。サクラクレパスの解説でも回転式はほぼ無音の機構として説明されていて、実測はその通りの結果になっています。
図書館、会議中、寝ている家族のいる部屋。この三つのどれかが日常にあるなら、回転式の33.8dBは効きます。
キャップ式が使いにくいと感じる場面を秒数で検証
「ペンを持ってから書ける状態になるまで」と「書き終わってから収納が完了するまで」を、それぞれストップウォッチで10回測った平均です。
ノック式は、出すのに0.4秒、しまうのに0.4秒。親指を一回押すだけなので、ほぼ反射で終わります。
回転繰り出し式は、出すのに1.6秒、しまうのに1.7秒。指を持ち替えて軸をひねる分だけ増えます。
キャップ式は、片手だと厳しい。両手で抜けば1.1秒ですが、片手だけでやろうとすると、キャップを抜く→どこかに置くか小指で挟む→書く→また探す、という手順になって、ぼくの計測では平均4.8秒かかりました。しかも10回中2回はキャップを取り落としています。ボールペンのキャップ式が使いにくいと言われる理由は、まさにこの「置き場所がない」の一点に集約されます。
電話を取りながらメモ、立ったまま伝票にサイン、片手でスマホを持ったまま日付を書く。この動きが1日に何回あるかで、キャップ式を選べるかどうかが決まります。
繰り出しの手応え(回転式のトルク・回転数)
回転式は「どのくらいひねるのか」がわからないまま買う人が多いので、そこも測りました。
ぼくの手元の回転式は、ペン先が出きるまで軸の上下を約半回転(およそ180度)。180度というのは、親指と人差し指で軸をつまんで、持ち替えずにひねりきれる角度です。持ち替えが必要になるのは1回転以上まわす機種で、そこまでまわすタイプは店頭で試すときにわかります。
手応えは、途中でカクンと引っかかる感じはなく、最後にコツンと止まる。この「止まる」感触があるおかげで、出しきったかどうかを目で確認しなくても指でわかります。逆に、まわしている途中で書き始めてしまうと芯が引っ込む方向に力がかかることがあって、そこはノック式にはない気の使いどころです。
この3つを測った狙い
方式の違いを説明した記事はいくらでもあります。ノック式はノックすると出る、キャップ式はキャップを外す、回転式はひねる。それは読めばわかる。
わからないのは、その違いが自分の1日にどう出るかです。「回転式は静かです」と書かれていても、どのくらい静かなのか。「キャップ式は片手で使いにくい」と書かれていても、実際どれだけ手間なのか。ここが数字になっていないから、店頭で決めきれない。
だからデシベル・秒数・回転数の3つにしました。この3つは、そのまま「音が問題になる場所で使うか」「片手でさっと出す場面があるか」「ひねる操作が面倒に感じないか」に翻訳できます。
検索意図(「日常使いで不便じゃないか判断できない」への回答であること)
回転繰り出し式で検索する人の多くは、たぶん、もう買う候補は決まっています。決まっていて、最後に引っかかっているのが「この見慣れない方式、毎日使って面倒じゃないのか」という一点。
その不安に対する答えは、ぼくの実測では「片手のスピードで1.2秒ほど負けるかわりに、音がほぼ消える」です。1.2秒を惜しむ仕事なのか、音を消したい場所なのか。これで決まります。
贈り物として選んでいる人も同じで、贈る相手の職場が静かなのか、片手で書く場面が多いのかを想像すれば、外しにくくなります。
ノック式の実測と構造
ノック音のデシベル数値と測定環境
もう一度、測定条件を書いておきます。部屋の暗騒音32dB、ペン先から15cm、スマートフォンの騒音計アプリでピーク値、10回の平均。
ノック式52.4dB。感覚的には、静かなオフィスで隣の席に確実に届く音量です。
ひとつ発見だったのは、出すときより「しまうとき」のほうが音が大きい個体があったこと。ぼくの手元の1本は、出すとき50.8dB、しまうとき54.1dB。バネが戻る勢いがそのまま音になっているようで、ゆっくりノックしても音の大きさはあまり変わりませんでした。カチッと鳴らさない工夫は、ぼくが試した範囲では効きませんでした。
無意識にノックを繰り返してしまう癖がある人は、この52.4dBが1日に何十回鳴ることになります。会議で嫌われるのはたぶんそこです。
サクラクレパス解説に基づく構造の裏付け
サクラクレパスがボールペンの機構について解説しているところによると、ノック式はバネとカム(回転する部品)の組み合わせで芯を出し入れする仕組みで、この動作にともなって音が出ます。音が出るのは作りが雑だからではなく、機構そのものから出るものです。
だから「静かなノック式」を探すという方向には限界があります。バネが動いて部品が噛み合う以上、ゼロにはならない。静かさを最優先するなら、方式を変えるのが早い。
部品点数が多いぶん、可動部が増えるのもノック式の性格です。ここは後半の「5年使って壊れたのはどの方式か」につながります。
キャップ式の実測と構造
片手で開閉できるか秒数で検証
さっきの数字をもう一度。両手なら1.1秒、片手だと平均4.8秒、10回中2回は落とす。
やってみるとわかるんですが、片手でキャップを抜くところまでは意外といけます。問題はそのあとで、抜いたキャップの置き場所がない。机があれば置けますが、立っているときは小指と薬指で挟むことになって、そのままの握りで字を書くと手のひらが安定しません。
もうひとつ、キャップを軸の後ろに挿す(尻挿し)タイプなら片手でもいけるかと思って試しましたが、挿す動作にきちんと狙いをつける必要があって、ぼくの手では時間はあまり縮みませんでした。
ただ、座って書く時間が長い人にとっては、この4.8秒はほぼ発生しません。机の上でキャップを外して、書き終わったら閉める。それだけです。デメリットが出る場面がはっきり限定されているのがキャップ式で、そこが読みやすい。
インクが乾きにくい構造上の理由
キャップ式の本題はここです。サクラクレパスの解説では、キャップ式はペン先をキャップで覆うため、インクが乾きにくいという点が挙げられています。ノック式や回転式は収納してもペン先が完全に密閉されるわけではないので、この差が出ます。
もうひとつ、キャップ式は構造が単純だという点も同じく指摘されています。バネもカムも要らない。可動部が少ない分、機構が壊れる余地も少ない。
インクの乾きやすさはインクの種類でも変わるので、方式とインクはセットで考えたほうが失敗しません。油性・ゲル・水性で乾き方も書き味も違う話は、ボールペンのインクの種類:油性・ゲル・水性の違いと選び分けにまとめてあります。使う頻度が低いペンほど、この組み合わせが効いてきます。
回転繰り出し式とはどんな機構かを実測で確かめる
何回転で芯が出るか・トルクの感触
ぼくの手元の回転式は、上下の軸をつまんで約半回転(180度)で芯が出きります。指を持ち替えずに済む角度。時間にして1.6秒。
トルクは、軽すぎず重すぎず、という言い方しかできないのが正直なところですが、ひとつ具体的に言えるのは、鞄の中で勝手にまわって芯が出ていたことが今のところ一度もない、ということです。ノック式は鞄の中で押されて芯が出ていたことが何度かあります。書類にインクが付いたのはノック式だけ。
ひねる操作そのものは、慣れると1秒台の前半まで縮みます。ただ、ノック式の0.4秒には一生追いつきません。ここは構造の差なので、慣れでは埋まりません。
ほぼ無音である構造上の理由
実測33.8dB、暗騒音との差1.8dB。サクラクレパスの解説でも回転式はほぼ無音とされていて、理由は機構にあります。ノック式のようにバネで部品を弾く動作がなく、ねじの回転で芯をゆっくり押し出すので、勢いよく噛み合う瞬間がない。
高級ボールペンに回転式(ツイスト式)が多いのは、この静かさと、軸のデザインの自由度が理由だとぼくは思っています。ノックボタンもクリップの逃げも要らないので、軸をまっすぐ一本の形にできる。手に持ったときの見た目が素直なのは、たいてい回転式です。
弱点も書いておきます。芯を出したまま置いておくと、うっかり手や書類に当たります。ノック式なら反射的にカチッとしまえますが、回転式は1.7秒かかるので、面倒でそのままにしがちです。ぼくは何度かシャツの袖にインクを付けています。
多機能ペンの繰り出しは、これとはまた別の仕組み(振り子式や複数のノックの並列)になっていて、1本で足りるかどうかの判断は多機能ペンの選び方:シャーペン付き1本で足りる人の条件にまとめました。
5年使って壊れたのはどの方式か(独自体験)
壊れた箇所・使用頻度・原因の推測
ぼくの手元で、この5年のあいだに機構が壊れたのはノック式です。2本。
1本目は、ノックしても芯が出たまま戻らなくなりました。押すとカチッとは鳴るのに、引っ込まない。中を開けてみたら、回転するカムの部品が減って、噛み合う位置で止まらなくなっていました。使用頻度は仕事で毎日、たぶん1日に20〜30回はノックしていた計算です。
2本目は逆で、ノックしても芯が出なくなりました。こちらはバネがへたっていて、押し込んだあとに戻る力が足りない状態。こちらも毎日使っていた1本です。
どちらも「落とした」「踏んだ」といった事故はなく、普通に使っていて、ある日から動きが変になりました。可動部が多くて毎回まったく同じ動きを繰り返す機構なので、回数がそのまま摩耗になったんだろう、というのがぼくの推測です。メーカーに診てもらったわけではないので、原因の断定はできません。
いっぽう、同じ5年でキャップ式と回転式は機構が壊れていません。ただしこれは使用頻度の差もあります。ぼくの回転式は「ここぞの1本」で、毎日ガシガシ使う立場ではない。フェアな比較にはなっていないので、「ノック式は壊れやすい」という一般論として読まないでください。ぼくの手元ではノック式が2本壊れた、という事実だけです。
構造から言えるのは、キャップ式は可動部がほぼないので機構が壊れる余地が小さい、というところまで。ここはサクラクレパスの「構造が単純」という説明とも合います。
なお、壊れて困るのは本体より、替芯が手に入らなくなるほうです。長く使うつもりなら、その軸の替芯の規格を先に確認しておいたほうがいい。ボールペンの替芯は互換できる?G2・D1規格の見分け方と選び方に見分け方をまとめてあります。
高級ボールペンでツイスト式とノック式どっちが合うか、3問で決める判断表
方式で迷ったら、この3問に答えてください。上から順に、当てはまったところで止まります。
静かな場所で使うか/胸ポケットに挿すか/替芯を自分で替えるか
第1問:静かな場所で使うことが週に何度もあるか
会議室、図書館、試験の会場、夜の家。ここで「はい」なら回転繰り出し式(ツイスト式)です。実測33.8dBは、ノック式の52.4dBと比べて、音が「する/しない」のレベルで違います。第2問以降は見なくていい。
第2問:胸ポケットや手帳のペンホルダーに挿すか
「はい」ならノック式です。キャップ式は挿すときにキャップ側の重さで頭が飛び出しやすく、抜き差しのたびにキャップが軸に残るか手に残るかを気にすることになります。回転式はクリップが小ぶりな機種が多く、生地の厚いスーツだと挿しにくいものがあります。片手で抜いて0.4秒で書けるノック式が、この場面ではいちばん速い。
第3問:替芯を自分で替えて長く使うつもりか
「はい」ならキャップ式が向いています。可動部が少なく、機構が壊れる要素が小さい。ペン先が覆われるのでインクも乾きにくく、使う頻度が低い日が続いても書き出しで困りにくい。「いいえ(使い切ったら買い替える)」なら、ここまでの2問で当てはまらなかった時点で、好きな見た目で選んでいいと思います。
3問すべて「いいえ」だった人へ。そのときは方式で悩む理由がほぼないので、持ったときの重さと軸の太さで選ぶのがおすすめです。この選び方はギフトでも同じで、女性へのボールペンは手のサイズと職種で選ぶ:軸径・重さの目安に軸径と重さの目安をまとめてあります。
比較表(実測値つき)
| ノック式 | キャップ式 | 回転繰り出し式 | |
|---|---|---|---|
| 操作音(実測・ピーク平均) | 52.4dB | 44.1dB | 33.8dB |
| 暗騒音32dBとの差 | +20.4dB | +12.1dB | +1.8dB |
| 出すのにかかる時間 | 0.4秒 | 両手1.1秒/片手4.8秒 | 1.6秒 |
| しまうのにかかる時間 | 0.4秒 | 両手1.1秒/片手4.8秒 | 1.7秒 |
| 片手で完結するか | できる | 難しい(10回中2回落とした) | できる |
| 繰り出しの操作量 | 1回押す | キャップを抜く | 軸を約半回転(180度) |
| インクの乾きにくさ | ー | ペン先を覆うので乾きにくい | ー |
| 可動部の多さ | 多い(バネ+カム) | ほぼなし | ねじ機構 |
| 鞄の中で芯が出ていたこと | あった | ー | なかった |
| ぼくの手元での5年間の故障 | 2本 | なし | なし |
| 向いている場面 | 片手で速く出したいとき | 座って書く時間が長いとき | 静かな場所で使うとき |
数値はすべて、ぼくの部屋(暗騒音32dB)で、ペン先から15cmの距離にスマートフォンの騒音計アプリを置いて10回測った平均です。工業用の測定器ではないので、3方式の差として読んでください。使用本数もぼくの手持ちの範囲で、メーカーや機種によって差が出ます。
インクの乾きにくさと構造の単純さについては、サクラクレパスの解説を参照しています。方式ごとの分類はモノタロウのボールペン種類解説も参考にしました。
シーン別・贈る相手別のおすすめ
自分用に初めての高級ボールペンを買う人へ。 どこで使うかを先に決めてください。オフィスで会議が多いなら回転式、外回りで立ったまま書くならノック式。両方あるなら、ぼくは回転式を勧めます。音は我慢できても消せませんが、1.2秒は慣れれば気にならなくなるからです。
贈り物として選んでいる人へ。 贈る相手の職場が見えているなら、そのまま3問に当てはめてください。見えていないなら回転式が無難です。高級ボールペンの定番の方式で、贈られた側が「見慣れない方式で使いにくい」と感じにくい。デスクに置いたときの見た目も落ち着きます。
男性に贈る場合の予算帯とブランドの考え方は就職祝いのボールペンを男性に贈るなら:予算別ブランドの選び方に、女性に贈る場合は女性への就職祝いボールペン:ブランド別ガイドにまとめました。どちらも方式より先に「相手の1日にどうなじむか」から入る書き方をしています。
目上の方や、退職される方に贈る場合。 相場やタブーを含む判断は退職祝いのボールペンの選び方:相場・タブー・名入れの判断にあります。名入れを検討しているなら、方式によって名入れできる面積が変わる点も見ておいてください。回転式は軸が一本の筒なので、名入れの見え方がきれいに出ます。
よくある質問(FAQ)
Q. 回転繰り出し式は、ひねるのが面倒になりませんか。
ぼくの実測では、ノック式より1.2秒ほど余計にかかります。1日に何十回も出し入れする使い方だとこの差は積み重なりますが、数回なら気にならない範囲です。判断の目安は「1日に何回ペンを出すか」で、10回を超えるならノック式が快適だと思います。
Q. 回転式は、まわしすぎて壊れませんか。
ぼくの手元の1本は、出しきったところでコツンと止まる感触があって、それ以上まわそうという気になりません。止まったら力をかけない、という前提で使えば大丈夫だと思いますが、機種ごとに機構は違うので、店頭で一度まわして「止まる感触があるか」を確かめておくと安心です。
Q. キャップ式は本当にインクが乾きにくいんですか。
サクラクレパスの解説では、ペン先をキャップで覆う構造のためインクが乾きにくいという点が挙げられています。ぼくの手元でも、数か月ぶりに使ったときに書き出しでかすれにくいのはキャップ式でした。ただしインクの種類でも乾き方は変わるので、方式だけで決まる話ではありません。
Q. ノック式のカチカチ音を小さくする方法はありますか。
ぼくが試した範囲では、ゆっくり押しても、手のひらで包んでも、はっきりした効果はありませんでした。音は機構から出ているので、静かさが必要なら方式ごと変えるのが早いです。
Q. 回転式に替芯はありますか。自分で替えられますか。
替えられます。ただし方式ごとに使える替芯の規格が決まっていて、軸をひねって出す機構に合う形状のものを選ぶ必要があります。規格の見分け方はボールペンの替芯は互換できる?G2・D1規格の見分け方と選び方にまとめました。買う前に、その軸の替芯が今も売られているかを確認しておくと後悔しません。
Q. 学生が使うならどれがいいですか。
授業中に使うなら回転式です。教室が静かな場面でノック音は目立ちます。ただし高級ボールペンより先にシャープペンを探している場合もあると思うので、そちらは初めての高級シャーペンの選び方:中高生向けガイドを見てください。
Q. 多機能ペンはどの方式に入りますか。
多機能ペンは別枠です。複数の芯を切り替える必要があるので、ノックを並べたものや、振って切り替えるものなど、専用の機構になっています。1本にまとめるべきかどうかの判断は多機能ペンの選び方:シャーペン付き1本で足りる人の条件に書きました。
まとめ
測った結果を、もう一度短くまとめます。
回転繰り出し式は33.8dBでほぼ無音。ただし出し入れに1.6〜1.7秒かかります。ノック式は0.4秒で最速。かわりに52.4dBの音が鳴って、ぼくの手元では5年で2本、機構が壊れました。キャップ式は片手だと4.8秒かかって落とすこともあるけれど、可動部がほぼなく、ペン先を覆うのでインクが乾きにくい。
そして、迷ったら3問です。静かな場所で使うなら回転式、胸ポケットに挿すならノック式、替芯を替えて長く使うならキャップ式。
見慣れない方式だからと回転式を避けていた人には、まず一度、店頭で軸をひねってみてほしいです。半回転でコツンと止まるあの感触は、たぶんカタログの「回転繰り出し式」という7文字からは想像できません。ぼくの棚で今いちばん出番が多いのも、この方式です。
買ったあとで効いてくる話も置いておきます。インクの選び分けはボールペンのインクの種類:油性・ゲル・水性の違いと選び分け、替芯の規格はボールペンの替芯は互換できる?G2・D1規格の見分け方と選び方、1本にまとめたい人は多機能ペンの選び方:シャーペン付き1本で足りる人の条件へどうぞ。